日本を舞台にした南北の戦い(4)帰還事業阻止のため工作員部隊、日本へ【調査会NEWS3491】(R3.9.2)

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特定失踪者問題調査会特別調査班
 昭和34(1959)年9月、釜山で半年ほど前に韓国警察の採用試験を受験していた人のもとに警察を名乗る人物が現れ、ソウル市中区乙支路三街の黄金旅館に出頭するように言われました。翌日指定された黄金旅館に行くと30人近い警察受験者(合否待ちの人々)が集められていました。集められた中には後に日本の下関市から密出国しようとして逮捕される方漢基もいました。方漢基は東京生まれで13歳になるまで日本で暮らし、終戦後に韓国に戻っていました。
 黄金旅館に集められた警察官試験受験者たちは韓国内務部治安局(後に韓国中央情報部、国家安全企画部を経て現在国家情報院)の係官によって面接を受け「日本語が話せるか?」などの質問を受け、最終的に24名が選ばれソウル市北部の北漢山(標高837m)にある寺の隣りの空き地に移動して大型テントなどを設営、訓練を受けることになりました。
 そして警察受験者たちがキャンプの設営を終えた数日後、韓国に残留を余儀なくされていた『在日学徒義勇軍』出身者41名が同キャンプに合流します。朝鮮戦争の休戦協定後、再び日本の地を踏むことができずに韓国に残留した242名のうちの41名です。昭和34(1959)年夏、治安局長などが在日学徒義勇軍(隊)隊長・晋成龍と面談し、「朝鮮総連が在日の北送を推進しており、放置できない。国務会議(閣議)で議論の結果、内務部主管の下、渡日してこれを阻止する人々が必要になった。日本で生活した経験がある学徒義勇軍が適合するので国のために任務を遂行してほしい」旨の要請をします。
 要請を受けた晋成龍は治安局長、情報課長、外事係長らと何回も会談を重ね、「工作員の身分保障、家族の生計支援、帰還後の警察官任用」の条件を基に工作員選抜に協力することとなり、韓国残留中の学徒義勇隊出身者たちに工作員選抜の連絡をとり希望者の志願を促しました。工作員募集に志願したのは約60名だったということですが、審査を経て41名が選ばれ、北送阻止工作員は警察官試験受験者と合わせて65名になり、北漢山のキャンプで一緒に訓練を受けることになったのです。
 すべての工作員要員が集結した後、警察官試験受験者24名は第1小隊とされ、義勇軍出身者41名は第2小隊20名、第3小隊21名に編成され、小隊別に工作員教育を受けます。教育内容は日本語学習、日本文化の習熟のほか、日本による植民地支配や抗日闘争の歴史などの座学や施設爆破、要人の暗殺、拉致などの技術や暗号文書の作成などが主体だったようですが、中には「朝鮮総連に浸透して北に帰国を希望する者を探し出して説得せよ」と指示を受ける要員や「神戸地区の総連幹部の拉致」の指示を受けた要員、初代総連議長の「韓徳銖を拉致せよ」との任務を付与された要員もいたようです。
 こうして工作員としての教育を受けた65名は昭和34(1959)年10月下旬ごろから11月中旬にかけて10数人ずつに別れ南部の馬山市に移動し、一時待機したのち第1次から第7次に分けて次のように日本に向けて出発しました。
 第1次隊:同年11月1日に釜山で密航船に乗船して出航、11月3日に広島県尾道港に到着。  第2次隊:同年11月10日に慶尚北道甘浦港から貿易船「第21七大洋号」に10名で乗船出航し、12日に福岡県小倉港に到着、九州方面で活動する数名を下船させ、東京で活動する任務を与えられた10名は夜陰に紛れて海岸から上陸する予定だったが船が座礁したためゴムボートで小倉港近くの海岸から上陸。  第3次隊:同年11月29日に統営港から12名で鮮魚運搬船に乗船して出航、神戸港を目指していたが関門海峡を通過する際に海上保安庁の警備艇に発見され下関港に曳航され取調べを受ける。「自分たちは海洋警察で訓練をするために神戸に向かう途中」などと弁明し、何とか神戸に向かうことが許可される。しかし神戸港までは海上保安庁の警備艇が先導し、神戸港に到着後も昼間の下船は許可されたものの夜間には船に戻るように指示された。身動きが取れないまま約2カ月が過ぎた頃、突然本国の治安局から撤収命令が出され帰国。ただしこの際2名が船から脱出して日本に上陸した。  第4次隊:同年11月30日に馬山港から9名(?)で出航、12月1日に広島県呉港に到着。  第5次隊:同年12月12日に馬山港から6名(?)で出航、12月13日に広島県呉港に到着。  第6次隊:同年12月13日に巨済島から12名で輸送船「明星号」に乗船して出航。暴風のため一旦対馬に避難するが対馬から再出発後の12月21日、九州の近海で突風に遭遇し遭難、沈没して工作員12名と乗員5名が死亡。  第7次隊:同年12月24日に馬山港を出航、12月26日、広島県呉港に到着。
 韓国映画の「シルミド」のような話ですが、帰還船の第1次船が新潟港を出たのは12月14日のこと。今から62年前のこととは言え日本を舞台にこのようなことが行われていたのです。(続く) ===================================   <調査会役員・特定失踪者家族会三役等の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> ※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。 ※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員のみです。
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