【調査会NEWS3506】（R3.9.20） ※このメールには返信しないで下さい。お問い合わせ等は代表荒木のアドレスkumoha551●mac.com（●を半角の＠に変える）までお願いします。 ―――――――――――――――――――――― ＜朴正天の「指導」から見えてきたこと＞
荒木和博
一昨日書いた朴正天の「指導」についてですが、御指摘があり、それ以前にも金正恩以外の「指導」が行われていたことが分かりました。慶應大の磯崎敦仁准教授も昨年9月の時点で「指導」がされていたことを指摘していました。他にも指摘していた方はおられたようです。今回のが初めてではなかったので、その点については訂正します。
さて、その御指摘を元にあらためて検討してみると非常に面白いことが分かりました。
現時点で分かっている金正恩以外の「指導」は次の通りです（もっとある可能性もあります。ご存じの方はお知らせいただければ幸いです）。
１、労働新聞2020年3月30日付「国防科学院超大型放射砲試験射撃実施」 （記事抜粋）朝鮮労働党中央委員会政治局委員であり党中央委員会副委員長である李炳鉄同志と朝鮮労働党中央委員会軍需工業部幹部たち、ジャン・チャンハ同志、全イルホ同志を初めとする国防科学研究部門の指導幹部たちがこの武器試験を指導した。
２、労働新聞2020年9月1日付「朴奉珠副委員長長淵郡の各農場で台風被害復旧事業を指導」「李炳鉄副委員長長淵郡の共同農場で台風被害復旧事業を指導」「朝鮮労働党中央委員会副委員長たち黄海南道各農場の被害復旧事業を現地で指導」 （一番最後の記事抜粋）朝鮮労働党中央委員会副委員長である金在龍同志、李日煥同志、崔輝同志、朴太徳同志、金英哲同志、金衡俊同志が台風の影響を大きく受けた黄海南道長淵郡、苔灘郡各農場の被害復旧事業を現地で指導した。
３、労働新聞2020年9月5日付「党の方針執行を怠り台風9号による人命被害を発生させた元山市と江原道スタッフたちの無責任な態度から教訓を得るための会議開催」 （記事抜粋）台風9号による被害を徹底して防ぐための党の方針執行を怠り厳重な人命被害を発生させた元山市と江原道スタッフたちの無責任な態度から教訓を江得るための会議が3日開催された。朝鮮労働党中央委員会副委員長である金在龍同志が会議を指導した。
後の二つは昨年の台風9号に関することなのですが、8月30日付の労働新聞には「朴奉珠副委員長黄海南道の台風被害復旧状況を現地了解」という記事があります。同じ朴奉珠の、おそらく同じことをやったであろうことの記事が2日後には「指導」になっており、朴奉珠の記事と別の記事で李炳鉄の「指導」そしてまた別の記事でその他幹部の「指導」という記事が載っています。
また、8月30日の記事には「敬愛する最高領導者金正恩同志の現地でのお言葉を高く奉り黄海南道のスタッフたちと勤労者たちは被害復旧事業を一日も早く終え農作物被害を最小化するための闘争に皆が立ち上がった」という記事が入っているのですが、9月2日の3本の記事には金正恩の名前は出てきません。
昨年の10月10日の労働党創建記念日のパレードでは査閲指揮官をやった李炳鉄が主役のようで、ちょっと異様な感じを受けたのですが、これらの「指導」のことと関係があるのかも知れません。李炳鉄はその後退けられたようですが、朴正天がそうであるように、また復活してくるかも知れません。
まだこれだけで全てを推測することはできませんが、ともかくかつては想像もできなかった幹部の「指導」がこのような形で報道されたこと、特に朴正天の記事でミサイル機動連隊の旅団格上げのことまで出てくるというのは何かが起きていることは間違いありません。
少なくとも金正恩が自分の意志で国を全てコントロールしているというのは妄想であり、集団指導制というのも民族性及び歴史的経緯から考えてありえません。こちらにその覚悟があれば体制の亀裂を拡張していくことは十分に可能な状態なのだと思います。 =================================== ＜調査会・特定失踪者家族会役員等の参加するイベント（一般公開の拉致問題に関係するもの）・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道（突発事案などで、変更される可能性もあります）等＞ ※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。 ※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員のみです。
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