本当にそこが失踪(拉致)地点なのか?【調査会NEWS3567】(R4.2.27)


【調査会NEWS3567】(R4.2.27)  
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<本当にそこが失踪(拉致)地点なのか?>

 副幹事長 杉野正治

 

 「釣りに行ってくる」そう言い残して帰って来なかった人たちがいます。
 「山に登ってくる」そう言い残して姿を消した人たちがいます。数十年後、拉致の観点からこうしたところに幾度か足を運んでいると、頭をよぎることがあります。「本人(失踪者)は本当にここに来たのだろうか?」と。

 

◆「釣りに行く」「登山に行く」

 昭和62(1987)年、千葉県松戸市に住んでいた岡元幸弘さんは、神奈川県横須賀市の海岸に釣り道具と乗用車を残して失踪、また平成元(1989)年には福井県敦賀市在住の山下貢さんが失踪。越前海岸の国道沿いでエサ箱や車が発見されました。十数件(非公開の方、未遂と思われる方も含む)が海に釣りに行って行方不明となっています。

 釣り竿やエサ箱などが海岸沿いに置いてあると、大抵の場合は「釣りの最中に高波にさらわれた」とか「岩場やテトラポッドで足を滑らせたのではないか」と思うでしょう。二人を始め多くの場合、ヘリや船舶などから近辺の海上・陸上を大捜索しましたが、全く何も痕跡は見つかりませんでした。

 一方で「山へ行く」と言って出かけて失踪したケースも十数件見られます。落石にあったか、路に迷ったのか、あるいはクマに襲われたか…

 例えば兵庫県在住の広田公一さんは、昭和59(1984)年、鳥取県の大山登山口の駐車場に車を置いて失踪しました。車には到着時刻や経由地と思われる地名を記したメモを車内に残していました。警察犬は車から2~300mで追跡するのをやめました。平成3(1991)年、北海道登別在住の小野寺将人さんはレンタカーを借りて「富良野に行く」(登山目的ではありません)と言って出かけましたが戻らず。失踪から3ヶ月後に車が十勝岳登山口の旅館の駐車場で発見されました。こちらも警察や家族、地元の人たちなどがその周囲を大がかりな捜索しますが、多くの場合は遭難の痕跡など全くありません。失踪から何十年か後、私たちも幾度かその場を訪れましたが、年月が経っていることもあって当然ながら失踪の状況など詳細に判ることなど多いとは言えません。登山や山菜狩りに行って失踪したのはこちらも十数件。山に行って行方不明となったので、一見拉致とは無関係かとも思われます。

 しかしその一方で、違う思いが浮かんできます。

 そもそも本人(失踪者)はこの場を訪れたんだろうか? 別の人物が本人の車に乗ってこの地に来て、エサ箱や竿などを置いていったのだとしたら? もしこれが偽装工作だったら? もしかすると本人は全く別の場所で拉致をされたのではないか?

 

◆全ての失踪で「偽装」を想定すべき

 

 これまでも遺留品などから偽装工作を施したのではないかと思われるケースはいくつか考えられてきました。もちろん拉致という観点から見たからこそです。海沿いに釣り道具を置いたり登山口に車を置いていったりすれば、その近くで遭難した可能性があるとして大捜索することになります。しかし遭難したと見せかけて、実際は全く別の場所で拉致され、別の人間が釣り道具や車を置いていくことによって「場所」と「時間」を全く別の方に向けるのです(広田さんは警察犬が追跡したので本人は現地を訪れたと思われます。でもわずかの数百メートルでその痕跡は消えました。そこから別の場所に連れ去られたとも考えられます)。

 そう考えると、従来私たちが想定してきた以上にもっと多くのケースで偽装工作がなされたと考えるべきではないでしょうか? 海や山だけでなく、拉致を疑われる全ての失踪について、偽装工作を考慮に入れたほうがよさそうです。警察も家族も「〇〇すると言っていたようだ」という誰かの“最後の証言”に基づいてその近辺を調べますが、「場所」と「時間」を偽装することで事実が覆い隠されてしまうのです。

 拉致を実行する側から見れば、拉致現場を目撃されることはもちろんのこと、何年もかけて構築した工作網を暴かれることを極端に恐れます。たとえ日本国内で捜査機関の追跡を逃れて北朝鮮に帰ることができたとしても、そこでは比較にならないほど厳しい叱責と酷い仕打ちが待っています。だとしたら拉致を計画する段階で必ずと言っていいほど偽装工作を織り込んだと考えてもおかしくありません。

 政府認定の拉致被害者も含め「本当にそこが失踪(拉致)現場か」「“最後の証言”は事実なのか」という観点から、いま一度洗い直す必要があるのではないでしょうか。
 時おり「〇〇県での失踪は何名ですか?」と訊ねられることもありますが、そもそも失踪場所の特定は困難ですし、偽装工作によって何百キロも離れた場所で拉致された可能性も考えられるので、一概には答えられません。調査会でも十年ほど前から「最終失踪関連地点」と呼ぶようにしています。

 北朝鮮ばかりでなく世界中のスパイはこうした偽装工作を行います。スパイばかりではなく、一般でもこうした「フェイント」をかけることで相手を混乱に陥れています。160km/hの豪速球が来ると思っていたら、超スローカーブだった…私たちのような凡人があとからVTRを見返してそれが判ったとしても、バットが空を切った事実は変えられないのです。

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<調査会・特定失踪者家族会役員等の参加するイベント(拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> 
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員のみです。

★3月13日(日) 14:00 RBRAシネマフォーラム 「めぐみへの誓い」上映会 in 奈良(予備役ブルーリボンの会主催)
・奈良県コンベンションセンター(近鉄新大宮駅徒歩10分 奈良市三条大路1-691-1 TEL 0742-32-2290)
・代表荒木が参加
・問合せ:吉本幹事(090-8371-9125・polepole204@kcn.jp

★3月26日(土) 14:30 「シネマフォーラム in 岩国」(みたて会主催)
・岩国市役所多目的ホール(岩国駅徒歩12分 岩国市今津町1-14-51)
・代表荒木・幹事石原が参加
・問合せ:石本岩国市議(090-8605-8762)

★5月21日(土) 14:00 RBRAシネマフォーラム 「めぐみへの誓い」上映会 in 恵庭(予備役ブルーリボンの会主催)
・恵庭市民会館(恵庭市役所隣り 恵庭市新町10 Tel:0123-33-3171)
・代表荒木が参加
・問合せ:info@yobieki-br.jp   090-1388-2710(釜石さん)

★5月22日(日) 13:50 RBRAシネマフォーラム 「めぐみへの誓い」上映会 in 旭川(予備役ブルーリボンの会主催)
・旭川市民文化会館(旭川市役所隣 旭川市7条通9丁目 Tel:0166-25-7331)
・代表荒木が参加
・問合せ:info@yobieki-br.jp   0166-51-7158(影本さん)

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★予備役ブルーリボンの会の動画配信「レブラ君とあやしい仲間たち」
・代表荒木がキャスターをつとめています。